今年ももう半分が過ぎてしまい、あっという間の2014年上半期でした。
今年はありがたくも研修や講演のご依頼を多数頂いております。
この場を借りて御礼申し上げます。
先週は、シャープ株式会社幕張ビル様にお伺いしまして
「みんなで考えよう!職場のハラスメント」と題し、
職場におけるパワハラ・セクハラの問題について
お話しさせて頂きました。
厚労省の調査報告や裁判例などを解説したのですが、
厚労省がパワハラの概念を公表したためか、
ずいぶんと「NO!パワハラ」という意識が
浸透してきたように感じます。
とはいえ、昨年はパワハラに関する裁判例が多く見られました。
自分はパワハラとは思っていなくても
相手にとってはパワハラと感じるような場面は多くあるのもまた事実。
パワハラは、いじめや体罰・虐待などと似た構造を持っているのだなと
感じております。
だからこそ、皆で意識していくことが大切なんですね。
シャープの担当者さんは大変気さくで、気持ちよく迎えて頂きました。
パワハラについてもよく理解されていらっしゃいましたので、
とても頼もしく感じました。
管理職の皆さまのお話しを伺っていて、
あぁ日本の技術が生まれている場所に来ているんだわ!
と胸が熱くなる思いでした。
私自身、大変勉強になりました。
このように学びの機会を頂けることは本当にありがたいことです。
素敵な出会いと学びの機会に感謝☆
台風も通過し、ようやく夏らしくなってきましたね。
どうぞ皆さまも熱中症などにはお気をつけ下さいませ。
急に暑くなってきましたね。
当事務所でも昨日、初の冷房を入れました。(笑)
今日あたりから平年並みの気温になるといわれているようなので、
ちょっと期待している中溝です。
さて、
今年度も私中溝が司法修習生の修習担当となりました。
6月1日から当事務所に
「第67期司法修習生」が配属となっております。
今年の修習生も、優秀で素敵な女性です☆
女性ばかりの事務所ですが、
修習生を迎え、ますます楽しく賑やかになっております♪
司法修習生というのは、
司法試験に合格した後、裁判官・検察官・弁護士になるために研修をしている者です。
裁判期日や法律相談など弁護士に同行して実務修習を行ってなっています。
当事務所での修習期間は6月1日から7月31日まで。
この間は、法律相談や調停期日などに司法修習生のご同席をお願いすることがあるかもしれません。
実務家になるための貴重な研修でありますので、
何卒ご理解ご協力を下さいますようお願い申し上げます。
なお、司法修習生には、弁護士同様、法律上の守秘義務が課せられておりますので、
修習中に見聞きしたことを外部に漏らすことはございません。
また、司法修習生の立会の了解が得られない場合には、席を外させております。
ご依頼者様のご意思に反して修習生が同行することはございませんので、
ご安心下さいませ。
鈴木牧子法律事務所の中溝です。
さてさて、、、といいますか、
またまた、、、といいますか、
シンポジウムのお知らせです♪
来る4月12日、
千葉県弁護士会で
というシンポジウムが開催されます。
このシンポジウムのパネルディスカッションに
恥ずかしながら、中溝がパネリストとして出演させていただくことになりました。
他のパネリストは
・早稲田大学法学学術院教授の棚村政行先生
・FPIC常務理事の山口恵美子さん
・臨床心理士の有馬和子先生
と、面会交流では有名な超豪華メンバーです!!!
すごいっ
私自身がお話しをたくさんお伺いしたい方ばかりです!
そんな中に私が入って・・・申し訳ない・・・というのが正直な気持ちなのですが、
貴重な機会なので頑張りたいと思います。
これまでの実務経験の中で子どもたちがどんな立場であったか
どんな思いで子どもたちに接してきたか、
そして、どんな限界があったかなど、お話ししたいなと思っています。
もちろん、新しい制度「子どもの手続き代理人制度」の展望についても触れたいと思っています。
限られた時間の中ですが、
子どもの視点に立った面会交流の実現に向けての一助となればと思います。
シンポジウムの詳しい内容は、千葉県弁護士会のホームページでチェックして下さいね。
なお、事前申込みが必要とのこと。(申込用紙もホームページでダウンロードできます。)
去る3月22日、
環の会さんからシンポジウムでの講演のご依頼を頂き、
「皆で考えよう、子どもの権利」
というテーマでお話しをして参りました。
会場には、たくさんの大人と・・・そしてたくさんの子どもたち。
子どもたちの遊ぶ場所は講堂とは別に用意されていましたが、
みんな元気に遊んでいて活気があります!!
こんなに楽しいシンポジウムは初めてです。
「子どもの権利」というテーマでお話しをしましたが、
これまで経験した少年事件などのお話しもあり、
全体としては「大人と子どもの絆」というテーマに近かったかなと思います。
でも、子どもの権利擁護を考える上で、
大人との信頼関係ってとても大事なことだと思っています。
シンポジウムではグループディスカッションにも参加させて頂きました。
環の会で大切にしている「テリング」
育て親(養親)さんが、お子さんに生みのお母さんのお話をすることなのですが、実際に育ての親さんたちが、どんな風にテリングしているのかを伺い、素敵なことだなと思いました。
「真実告知」とは異なる・・・と言われているそうですが、
法律家の私には何がどう違うのか、よく分かりませんでした。
でも、皆さんのお話を伺って、
「あなたこと、生みのお母さんのことも含めて(出自も含めて)全部大好き!」
という暖かいメッセージなんだなと思いました。
これって、
「ありのままのあなたが大好き」ってことですよね?
うん!まさに権利擁護じゃないか!と思ってしまいました。
「権利擁護」って書くと、なんだか堅苦しいですけどね(笑)
このほか、シンポジウムでは、
育ての親さんの元で育ったお子さんの率直な本音(?)もお伺いすることができました。
切ない気持ちになりましたが、
本音で気持ちを語れるっていうのはすごいこと。
講師で参加したはずなのに、私の方がたくさんのことを学ばせて頂いたシンポジウムでした。
環の会のみなさん。本当にありがとうございました。
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3月19日、千葉県で「いじめ防止対策推進条例」が成立しました。
山形県に続いて全国2例目です!
昨年6月28日に「いじめ防止対策推進法」が制定されましたが、
この法律を受けて制定されたのが今回の条例。
千葉県がいじめ対策に取り組む責任を持つことなどを明示され、
「子どもたちが健やかに成長することができる環境をつくる」ことが目的とされています。
3月20日付け毎日新聞の朝刊に
短いながらも私のコメントが掲載されました。
字数の関係から簡単なものになってしまいましたが・・・
千葉県が早期にこの条例を制定したことは
県がいじめに対して真摯に対応するよ!というメッセージになるものとして評価できると思います。
ただ、この条例が
「いじめの禁止」だけではなく、
いじめをしていない児童にも、いじめがあることを知っていて放置することがないように務める
という努力義務?を定めている点は、
少々、酷だなぁと思います。
「放置しない」ってどういうことなのだろう?
「次は自分の番かもしれない」と恐怖を感じ、何もできないこともあるんじゃないかな?
もちろん、この規程に違反したからといってサンクションはないですし、
いじめを認知した子が何らかのサインを発信してくれることは
いじめの早期解決につながるものだとも思います。
でも・・・でも・・・
やっぱり、子どもに義務的なものを規程するのは、あまり好きじゃない。
いじめを知ってしまった子だって苦しんでいると思う。
できることなら、その子も含めて守って欲しい。
いじめって単純な被害・加害の構造ではないし、
被害者、加害者、傍観者、聴衆といった立場が簡単に入れ替わるものだから、
解決はとっても難しいのだけれど、
たとえ、難しくても
苦しんでいる子たちはみんな守るよ!って言えたら
ステキな世の中になるんじゃないかしら?
どうか、この条例が、
子どもたちの伸びやかな成長を守る基盤となることを切に願います。
1 耕作放棄地の現状
耕作放棄地が増えている。
全国の耕作放棄地は39.6万ヘクタールある(平成22年)。埼玉県の面積にほぼ相当するほどの広さだ。 昭和60年と比較して,平成22年には全国で耕作放棄率は3.5倍の増加ぶりだ。 千葉県はどうか。千葉県の耕作放棄地は,平成22年時点では1万7963ヘクタールであり,昭和60年と比較して5.7倍に増加している。耕作放棄率で昭和60年と比較すると千葉県は6.7倍に増加し,千葉県の増加率は急激である。 確かに,総武本線で千葉から銚子へ電車で向かうと,線路沿いに流れる農地・畑地の中に農地の原形を失うほどに荒れた土地(耕作放棄地)が点在しているのを見つけることができる。 中には山林のようになってしまったり,産業廃棄物の捨て場所になったりしている。耕作放棄地の問題は,都市近郊の農業立国千葉県の大きな問題なのだ。
2 耕作放棄地の定義と発生原因
ところで,耕作放棄地は,農林業センサスにおいて,「以前耕作していた土地で,過去1年以上作物を作付けせず,この数年の間に再び作物を作付けする考えのない土地」を言うとされており,農家等の意思により再び作物を作付けする考えのないことが前提になっている。 平成22年の千葉県の経営耕地面積9万0321ヘクタールを100とすると,耕作放棄地1万7963ヘクタールは16.6パーセントである。全国の耕作放棄地率9.8パーセントの1.7倍である。
つまり,千葉県においては経営耕地面積の2割弱の農地が,農家の人々によってこの数年間に再び作付けする意思がないと考えられているのだ。 なぜ,農家の人々は再び作物を作付けする意思がないというのか。 この耕作放棄地の発生原因については,「高齢化・労働力不足」が最も高く,「地域内に引き受け手がいない」も比較的高いとされ,「農産物の価格低迷」や「収益の上がる作物がない」といった経営条件の悪化も大きな要因とされている。
3 耕作放棄地対策は?
日経新聞に,東急不動産が作物を栽培せずに放置されている農地の再生事業に乗り出すことになり,その第1弾として千葉県内の宅地用に取得した未開発のままの農地を含む80ヘクタールを3年かけて再整備するという記事が載っていた(平成26年3月5日日経新聞朝刊記事)。
企業の農業参入の記事が最近目につく。イオンは全国の耕作放棄地などを活用し平成27年度までに直営農場を500ヘクタールに拡げ,吉野屋HDは平成25年10月に福島県の地元農家などと協力して農業生産法人を設立し平成29年度までに栽培規模を13ヘクタールまで拡げるのだという。
4 農地法の改正と耕作放棄地
企業の農業参入の転換点は,平成15年,同17年の耕作放棄地農地の農業生産法人以外へのリース容認と平成21年の農地法改正である。 まず,平成15年から,構造改革特区制度により,一部の地域(特区)では耕作放棄地の農地について,農業生産法人以外の法人へのリースが容認されることになった。平成17年には特区以外にも同様のリースが容認されることになった。
続いて,平成21年に農地法が改正された。 農地法第1条の目的が,「この法律は,農地はその耕作者自らが所有することを最も適当であると認めて,耕作者の農地の取得を促進し,及びその権利を保護し,並びに土地の農業上の効率的な利用を図るためにその利用関係を調整し,もって耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を図ることを目的とする。」(旧法第1条)とされていたのを,「この法律は,国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のために限られた資源である,かつ,地域における貴重な資源であることに鑑み,耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ,農地を農地以外のものにすることを規制するとともに,農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し,及び農地の利用関係を調整し,並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより,耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り,もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。」と改正された。 つまり,農地法の目的は,耕作者の農地取得の促進から踏み出したことになる。この改正により,賃貸借と使用貸借に限り農業生産法人以外の法人でも農地法3条許可が認められようになった。
これらの政策によって,農業生産法人以外の法人が農業に参入することが可能になったのである。
5 耕作放棄地対策の担い手
実は,耕作放棄地対策は,農業への参入を意図する企業に委ねれば解決するというほど簡単な問題ではないはずだ。
農業を担ってきた耕作者から,「農業は語るものではなく実践するものだ。」「自力で食料を得て生きることができる農業は素晴らしい」などとの書き込みがあったりして,企業の農業への参入を冷ややかに見る向きもある。
耕作放棄地対策の担い手は誰であるべきなのか。
昨日は、千葉県内のある福祉施設さんで職員研修の講師をつとめてまいりました。
職員さんたちは皆さん、和気あいあいとしていて
朝摘みのあま〜い苺とコーヒーを頂きながらの研修♪
こんな柔らかい雰囲気なのに
テーマは「離婚・親子に関わる法律問題」
しかも、事前にヒヤリングした職員さんたちの要望は
・調停手続き
・審判手続き
・人事訴訟手続き
・強制執行
・子の引き渡しの手続き
・離婚後にできること
・親権
・養子縁組
・認知
・DV被害などの刑事手続きや民事上の請求
などなど
すごいボリュームですよね!
これだけテーマがあれば、1年間くらいの講義ができてしまいそうなほどっっ
でも、いつもお世話になっている施設さんなので、頑張りましたよ!
2時間半くらい、法律や手続き上のポイントなどをお話ししてきました。
日頃の業務に少しでもお役に立てたら幸いです。
研修終了後には、すてきなご褒美☆
朝摘みのあま〜い真っ赤な大きい苺ちゃん♪
とってもおいしかったです!ありがとうございましたっっ
非嫡出子(法律上の夫婦でない男女の間に生まれた子ども)の相続分を嫡出子(法律上の夫婦の間に生まれた子ども)の相続分の2分の1とする民法第900条4号ただし書き前半部分の規定は法の下の平等に反するとして最高裁判所の違憲判決(平成25年9月4日大法廷判決)が出されたことは記憶に新しい。それに基づいて,平成25年12月5日,民法の一部を改正する法律が成立し,民法第900条4号ただし書き前半部分が削除された。
これを機に,非嫡出子にまつわる親子関係の基本を遡っておさらいしてみよう。
1 親子関係の発生
法律上の夫婦でない男女の間に生まれた非嫡出子につき,母親と子どもとの親子関係は,分娩の事実によって当然発生するとされている(最高裁昭和37・4・27)。
では,父親と非嫡出子の親子関係はどうだろうか。民法779条は,父親が認知することによって親子関係が発生すると定めている。つまり,法律上の夫婦でない男女の間に生まれた子どもについては,両親が事実上の夫婦としてともに暮らしていたとしても,それだけでは父親が誰か分からないから,父親が名乗りを上げて認知することを必要とするとしているのだ。
2 非嫡出子が嫡出子の身分を獲得する「準正」
次に,非嫡出子が嫡出子に変更される場合があるのだろうか。
非嫡出子であった者が嫡出子の身分を取得することを「準正」という(民法789条)。準正には,「婚姻準正」と「認知準正」の2種類がある。つまり,嫡出子に変更される場合に2種類があるということだ。
婚姻準正というのは,法律上の夫婦でない男女の間に生まれた子どもを,先に父親が認知した後にその男女が婚姻する場合をいう。父親が認知したときに非嫡出子と父親との間に親子関係が発生し,その後両親が入籍すれば両親の婚姻により嫡出子の身分を取得することになる。
これに対し,認知準正というのは,両親の婚姻より先に生まれた非嫡出子について,まず両親が婚姻し,その後父親が認知する場合である。
3 認知の効力を有する嫡出子出生届
それでは,婚姻前に生まれた非嫡出子について,戸籍に認知されたという記載がないのに,嫡出子の扱いを受けることがあるのだろうか。
次のような例を考えてみよう。大正時代に結婚したご夫婦太郎さんと花子さんには入籍前にひとりの子どもさん勝男さんがいたとしよう。勝男さんは5月1日に生まれたが,太郎さんと花子さんは5月10日に祝言をあげ入籍を済ませた。取り寄せた戸籍謄本によれば,勝男さんは太郎さんと花子さんの嫡出子として扱われ,太郎さんが亡くなった後,家督相続をしていたことが分かる。
しかし,戸籍によれば,父親の太郎さんが婚姻前に認知したという記載がどこにもなく,婚姻後にも認知したとの記載が戸籍に出ていない。この場合,勝男さんは,いつどちらの準正によって嫡出子に変更されたのか。
答えは,戸籍法62条の「認知の効力を有する嫡出子出生届」の規定による。戸籍法62条は,父母婚姻後に両親が嫡出子出生届をしたときには,別に認知の届出がなくても認知の効力を生ずると定めたものである。
勝男さんの場合も,勝男さんが生まれた後,両親が婚姻届を出してから,勝男さんの出生届を2人で出したことにより,認知をしたとみなす訳である。
戸籍謄本には,両親が勝男さんの出生届を出したとの記載があった。
認知の文字は1文字もないのだが,戸籍法62条により,婚姻前に出生した非嫡出子について,両親が婚姻し,子どもの出生届を両親がともに出せば,認知と見なすのである。この場合は認知準正にあたることになる。
4 違憲判決と準正
嫡出子の相続分と非嫡出子の相続分に2分の1の差をもうけていた時代には,嫡出子かどうかということは大いに問題であった。
しかし,最高裁の違憲判決により,そもそも非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする民法の規定自体が違憲であることが確認された。民法の当該規定も改正され,平成25年9月5日以降に開始した相続について,新法が適用される。
そうなると,準正の規定の持つ意味も今後変わっていくであろう。
前回のブログでお知らせしましたシンポジウム☆
1月25日に無事開催することができました。
定員300名のところ、360名の事前申し込みをいただき、
当日もほぼ満席!
盛況のうちにシンポジウムを終えることができました。
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
シンポジウムでは
虐待などで帰る場所をなくした子どもたちの支援をされている方々から
実際の現場のお話を伺うことができました。
落合恵子さんやパネリストの方々のお話は
「支援」なんて簡単な言葉では言い尽くせないほどの思いにあふれていて、
胸が熱くなり、涙がこぼれてきました。
千葉でも早く「子どもシェルター」を開設できるよう頑張っていきたいと
思いを新たにしました。
なお、
シンポジウムの様子は千葉日報さんやNHKさんが報道して下さいました。
感謝!