今日は試験観察中の少年と面談をしました。
「試験観察」というのは、
少年事件の「非行少年」について、
家庭裁判所が「少年院送致」にすべきか「保護観察処分」にすべきかを迷ったとき、
本当に少年が社会の中でやっていかれるかどうかを見極めるため、
試験的に家に帰らせて様子を見るという
中間的な処分をいいます。
少年から見れば、
『自分の力で立ち直れるかどうかのチャンスをもらった状態』なんですね。
そんな試験観察中の少年に、読んでもらっている本があります。
それがコチラ↓
「盾シールトSHIRLD」(村上龍著)
これは何年か前に家庭裁判所の調査官から勧められた本。
コジマとキジマという二人の少年が、
ある老人から「シールド」の秘密を問われたことに端を発し、
その半生を通じて、
彼らが自分の中にある「シールド」を探していく様子が描かれている作品です。
二人の少年が見つけた「シールド」は
成長と共に変化し、その意味も変わっていきます。
ときには大切なシールドが無くなってしまう・・・
ときにはシールドの中身が分からなくなってしまう・・・
そんな二人のシールドを整理したあと、
「君にとってのシールドってなんだろう?」
「そのシールドの意味って何?」
「昔のシールドと今のシールドは違う?」
なんてことを
試験観察中の少年と一緒に考えていきます。
まるで国語の授業みたいで窮屈な作業かしら?
でも!!
自分の問題点を振り返り、そして今の自分の立ち位置を確認するには
とても役に立つ本なんですよ。
試験観察中の少年にはときどき利用させていただいています。
今日面談した少年とは
たっぷり2時間、シールドの読解と自分自身の振り返りをやってみました。
少年にとっては久しぶりの「お勉強」だったかもしれませんが、
イヤな顔せずガッツリ食いついてきてくれました!
現在、仕事も見つかり、少しずつ社会の中で自分の価値を見いだしている子です。
彼の頑張りが無事実るよう
できる限り後押ししていきたいと思っています。
新たな未成年後見制度 » « 元 非行少年との再会