女性弁護士のきらきらブログ

2012年10月12日 | 中溝明子

元 非行少年との再会

今日、かつて私が付添人を担当した「 非行少年」が尋ねてきてくれました。

 

当時、彼はなかなか大胆な事件を起こしてくれまして、

もしも成人だったらとても執行猶予なんてつかないような、

いわゆる重大事件を起こしてしまいました。

 

一度は過ちを犯した彼ですが、

家族の支え、学校の協力、そして何より彼自身の努力の甲斐あり、

なんとか中間審判により一時帰宅を許されました。

中間審判後、5ヶ月間、

彼は音を上げることなく、

自分の罪と、そして自分自身と真摯に向き合い、毎日、地道にひたむきに努力をしました。

家庭裁判所も彼の努力と変化を評価し、

無事、最終審判で「保護観察処分」になりました。

 

・・・あれから何年が経ったのかしら。

 

ひたむきな彼は地道な努力を続け、都内の有名私立大学に進学し、

今は情熱を傾けることのできる仕事を見つけたのだそうです。

熱心に自分の夢を語る彼の姿はとても頼もしく、

若いエネルギーに満ちあふれていました。

 

そんな彼と話している内に、私自身が勇気づけられていることに気が付きました。

 

人は完璧な存在ではないので、過ちを犯すこともあります。

けれど、人はちゃんと変われる、変わっていける。

そして、自分の道を自分の心と足で歩いていけるようになるんだ!

本当に本当にそうなんだ!と

彼が証明してくれたように感じました。

 

私は自分で少年事件を学んでいったのではなく、

彼を含め、多くの少年たちから「少年事件」を教えてもらっていたのだなと

しみじみ思いました。

 

自分の道を進み始めた「 少年」・・・

きっとこれからも困難なことはあるだろうし、

くじけることもあるだろうけれど、

自分から溢れるものを信じて頑張っていって欲しい!!

 

彼との再会に感謝して。

 

※ 本人のご了解を得て掲載しております。

 

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