平成23年5月25日、家事事件手続法が制定されました。
この法律には、調停事件や審判事件の手続きなどが規定されています。
施行日は平成25年1月1日なのですが、全国の家庭裁判所では、施行に先立ち、
現行法の運用の中でも実施可能なものは積極的に運用を開始しています。
もちろん、千葉家庭裁判所でも運用が始まっています。
調停や審判の「申立書」を事件の相手方に送付したり、
関係書類の閲覧が可能になったり、
できる限り当事者主義的な手続き保障ができるようになっています。
けれど、相手には見られたくない情報や書類ってありますよね?
これを見られたら、知られたら、他の人に迷惑かかっちゃう!とか。
家事事件手続法では、もちろん、そんなニーズもちゃんと把握しています。
資料などを提出するときに「非開示の希望の申出」をすれば、
裁判所にだけその書類を読んでもらうことができるのです。
といっても、何でもかんでも秘密では困ってしまうわけで、
非開示にできる要件が決まっています。
(1) 事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれがある。
(2) 当事者や第三者の私生活・業務の平穏を害するおそれがある。
(3) 当事者や第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより,
その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じるおそれがある。
(4) 当事者や第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより,
その者の名誉を著しく害するおそれがある。
(5)その他、当事者に記録の閲覧等を許可することを不適当とする特別の事情 がある。
なんだか難しい言葉が並んでいますが、
要は、「それを知られたら誰かがとっても困るんです〜」ってこと。
もちろん、なんとなくイヤ・・・なんていうのはダメ。
具体的な事情が必要なんです。
例えば、
過去にも相手が○○さんに文句を言ったことがあって、このことを知られたら○○さんをトラブルに巻き込んでしまう!
とか
学校と敵対関係になってしまったら子どもが安心して学校に通えなくなっちゃう!
とか。
・・・やっぱり、ちょっとややこしいかしら?
千葉家庭裁判所では、「非開示の希望の申出書」の書式を作成し、
10月1日から運用が開始されました。
これから家事事件の申立を考えていらっしゃる方は、
ご依頼の弁護士さんと、どの情報を開示するか?どんな事情があるか?なんてことも
ご相談なさるとよいと思います。