昨日,日弁連が主催する「子どもの手続代理人に関する連続研修」に参加してきました。
「子どもの手続代理人制度」とは,来年の1月1日から施行予定の家事事件手続法に新しく規定された制度です。
家事事件手続法では,子どもの意見を考慮しなければならないとの規定が定められるとともに,親権者や監護権者,面会交流などの事件において,子ども自身が新しく手続に参加をすることが認められており,そのために裁判長が手続代理人を選任する制度が設けられました。
離婚事件などで多くの場合,夫婦のどちらも自分が親権者にふさわしいと主張します。
そして,一番影響を受けるであろう子ども自身は当事者として参加できず,家庭裁判所の調査官が子どもと面接を行い,調査官の意見の中で子どもの意向・様子などを反映するというだけでした。
しかし,この新しくできた制度によって,手続代理人として選任された弁護士が子どもの立場にたって意向を聞き取り,その意見を手続に反映させることが可能になりました。
ただ,一口に子どもの意見を反映させるといっても,実際は非常に大変なことだということを今日の研修で学びました。
子どもはその発達段階によって様々な反応を示し,大人に対して不信感もあり,必ずしも代理人に本心を語るとも限りません。
今日の研修は,実際に子どもとの面接の際,どういう点に注意して聞き取りをしなければならないか,子どもは大人の言動をどのように受け取るのかをご教授いただき,大変に勉強になりました。
代理人はまず子どもに心を開いてもらい,信頼関係を築き,子どもに負担をかけないように調査しなければならず,大人に接する以上に子どもから聞き取りをするのは大変な作業です。
しかし,せっかくできた子どものための制度ですから,意味のあるものとなるように私たち弁護士も努力しなければいけないなと思っています。
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