女性弁護士のきらきらブログ

2015年05月08日 | 鈴木牧子

法律ミニ知識ー3ートラブルを避ける遺言状

トラブルを避ける遺言状~(その1)

 1 妻と夫の兄弟姉妹の相続

遺言状を書いておいてもらうとよい場合として,夫婦に子どものいない場合があげられます。

夫婦に子どものいない場合,他方配偶者は常に相続人になりますが,被相続人に両親がいる場合には,他方の配偶者と被相続人の両親が相続人になります。被相続人の両親が既に亡くなっている場合は,他方の配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。

相続分は,配偶者と他方配偶者の親が相続人の場合は,配偶者の相続分3分の2,他方配偶者の親が3分の1です。配偶者と他方配偶者の兄弟姉妹が相続人の場合は,配偶者の相続分が4分の3,兄弟姉妹の相続分が4分の1です。

配偶者と他方配偶者の兄弟姉妹が相続人の場合には,他方配偶者の兄弟姉妹には遺留分が認められていないことも覚えておきましょう。

この場合,夫が自分の兄弟姉妹と妻との相続争いを避けるためには,「家屋敷など遺産はすべて妻に相続させる」などという内容の遺言状を残しておけば,兄弟姉妹と妻との争いを避けることができます。サラリーマンとして勤続し,妻のためにマイホームを建てても,遺言状がなければ,自分の死後,妻と自分の兄弟姉妹がマイホームの相続を巡って争うことにもなりかねません。

さらに,遺言状は,公正証書で作成し,遺言執行者の定めを置くことをお勧めします。

 

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