今日は春らしい陽気になりましたね♪
少々時間が空いてしまいましたが、前回のパワハラのお話の続きです☆
厚生労働省主催の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」が
平成24年3月15日「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を公表しましたが、
この提言を踏まえて、
厚労省は、
職場のパワーハラスメントの実態 を把握するとともに、
この問題が発生する要因の分析や、予防・解決に向けた課題の検討を行うことを目的として
調査を実施しました。
そして、平成24年12月12日
「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」が発表されました。
平成24年7月から9月にかけて
企業調査と従業員調査の2方向のアンケート調査を実施し、
企業調査は計4,580社から、従業員調査は計9,000名から回答を得たというものです。
信憑性ある調査といえるのではないかと思います。
この調査では、
パワハラ被害者の年齢や性別、役職やパワハラの種類の内容の分析の他に
パワハラが起きやすい環境要因の分析などがなされていました。
これがなかなかおもしろい。
企業調査、従業員調査を通じて、
・ 残業が多い/休みが取りがたい
・失敗が許されない/失敗への許容度が低い
という緊張感やストレス度の高い職場においてパワハラが起きやすい傾向が見られるという結果が示されていました。
これは、感覚的にも納得できますよね。
緊張感やストレス度が高ければ、人は感情的になりやすく、傷つける意図はなくても、つい人を傷つけてしまう言動をしてしまうことがありますから。
仕事の性質上、緊張感やストレス度の高さは容易に変えることができませんが、
もう一つ、
企業調査、従業員調査で共通の職場環境として
「上司の部下のコミュニケーションが少ない職場」が挙げられていました。
特に、従業員調査で興味深かったのは、
悩み、不満、問題と感じたことを『会社』『上司』に伝えやすいかどうかという質問で、
パワハラ経験者と未経験者との間では2倍以上の差がみられるのに対し、
「『同僚』同士のコミュニケーションが円滑である」
「仕事以外のことを相談できる『同僚』がいる」
という質問では
yes,noの回答に優位的な差が見られなかったり
パワハラ経験者と未経験者との間に大きな差がみられなかったりしたそうです。
つまり、パワハラ発生に関するコミュニケーション上の問題としては
相談できる「同僚」の有無よりもむしろ
が重要であることが、この調査からは伺えました。
もちろん、これはあくまでもアンケート調査の結果ですから、これがパワハラ環境の全てというわけではありませんが、
一つの傾向や要因として頭に入れておいて損はない調査結果だと思います。
パワーハラスメントが「生じにくい」環境作り
パワーハラスメントに関する「相談がしやすい」環境作りのためには
職場における「コミュニケーション」を活性化しつつ、
「上位者」がパワーハラスメントについて理解した上で、
「部下等」とのコミュニケーションを行うことが重要だといえそうですね。
もっとも、コミュニケーションをとろうとして
相手のプライバシーに過度に立ち入ったり、下ネタで盛り上げようとしたりすれば
パワハラ・セクハラという問題が発生しかねませんのでご注意くださいね。
次回はパワハラに関する気になる裁判例をご紹介します。