女性弁護士のきらきらブログ

2013年03月08日 | 中溝明子

第35回千葉少年問題研究会

昨夜、千葉大学大学院の後藤弘子教授が主催する

千葉少年問題研究会に参加してきました☆

 

昨日のテーマは

「少子高齢化社会における非行少年・若年犯罪者を巡る課題と対策」

 

なんと興味深いテーマなんでしょう!

報告者は千葉保護観察所企画調整課長さん。

 

たくさんの統計データを使って

非行・犯罪傾向を分析して、どのようなアプローチが再犯防止に有効かという点について

実証的なご報告を頂きました。

 

先日も報道されたように、

少年非行は減少しているものの再犯率が上昇しているという問題。

つまり、同じ子が何度も犯罪を繰り返す傾向にあるということ。

報告者からは、

「ハイリスク少年を早期にリスク評価基準によって識別し、

それらの者に対して環境面を含めた総合的対応策をとる必要がある」

との指摘は正にそのとおり。

そして、

「動的再犯危険因子」(処遇によって変えることができる因子)

の中でも

・仕事 ・住居 ・家族等の人間関係 の安定化

・向社会的活動への参加

が重要性などが指摘されました。

実証データからは「24歳前まで」が勝負!

非行少年から若年犯罪者への移行防止が鍵になる!とのこと。

 

これまでの少年事件の付添人活動を振り返り、

経験上、私たちが当たり前に感じていたことを

実証データを元に裏付けてくれたという印象をもつと共に

やっぱり付添人活動は、日本の将来のためにも大事な仕事なのだと再認識しました!

 

確かに・・・ちゃんと更正してくれた子たちは

・学校や職場という繋がりがあったり

・家族関係が改善されたり

・家族以外でも信頼を裏切りたくない人の存在に気が付くことができたり

今回の報告は、私の経験にも合致しています。

 

ただ、「若年犯罪者対策」といった大きなくくりで方向性を示すことと

私たちが一人一人の少年と対峙したとき

何を語り、何を感じ、どう更正に向かわせるかというのは別問題なのでしょう。

いくら就労対策で、就職先のメニューが豊富にあったとしても、

働く気持ちになれなければ、結局、就労には繋がりませんし、

運良く就職できても、就労を継続することはまた難しい・・・

 

私たちが対峙する少年たちへのアプローチとして

どころ強化するかという方向性はリスク評価によって見極めることとしても、

どうアプローチしていくかについては、やはり日々の研鑽を積む必要があるのでしょう。

 

よし!これからも頑張るぞ!

そんな気持ちにさせられた研究会でした☆

 

 

 

 

 

» «